『近代以降の日本の農業の地域的変容と現代の農業問題を簡潔にまとめたうえで、自分の住む都道府県における農業問題とその要因について地図や図、表・写真を2枚以上用いて論述せよ。』
日本の農業の変遷と農業問題
第二次大戦前までの日本の農業は、大きく2つに分けられていた。それが「東北型」と「西南型」である。
「東北型」とは、土地の所有者自身が耕作し、耕作面積は広いが収穫高は伸び悩み、西南型に比べ非効率的なものである。それに対して「西南型」は、地主と耕作者(小作人)が別で、小作人は地主に土地を借りて農作物を作り、そこで収穫されたものを小作料として地主に納めるものである。そして、北陸の魚肥の導入や佐賀県の化学肥料・農薬と機械の早期導入など効率的な農法を次々と導入したため、東北型に比べ、耕作面積は総じて狭かったが、収穫高は大きかった。このように地域で農業のやり方が違ったため、生産力に格差が生まれたのである。
実際に明治22~26(1879~83)年と明治44(1911)年の2つの米の面積当たりの収穫量の調査では、西日本が東北・北海道に対して高い結果が出ている。これは農業の近代化を進めたことが大き...