日本演劇史のレポート、即興について
日本演劇史
即興演劇について考えたい。
ここでは即興演劇とは、何もないところから物語を創造していく舞台を言う。つまり、脚本もなく打ち合せもせず、その瞬間の出来事に対応していくものである。この即興演劇は即興の英訳であるimprovisationを略してインプロと呼ばれ、近年では社員教育や学校教育の場でも注目されている。インプロは特に欧米で世界大会が開かれるほどメジャーなものであり、近年では世界中に広まり多くの人々に受け入れられている。では、日本の演劇との関わりはどうだろう。日本ではまだ、「インプロ」は聞き慣れないものであるが、果たして本当に馴染みのないものであるのか。それについて検討していきたい。
演劇はもともと、祭祀的で即興的なものが多かった。インプロは、中世にイタリアのコメディア・デラルテとよばれる簡単な戯曲を元に、即興的なステージをヨーロッパ中で巡業していたのがはじまりと言われている。しかし、近代以降、演劇は脚本のあるものが主流になった。ところが、その後20世紀半ばにキース・ジョンストンの登場によって、即興演劇をそのまま舞台で上演しようという動きが出てくる。彼は、今インプロと...