戦争は自らの歴史性と特殊性より、まず、過去の戦争を再現することが相当難しいと思っている。戦争体験といっても、主に生き残った人の証言を聞いたり、戦場で撮った映像や写真を見たり、などのことを通して、その時の歴史を振り返ることにすぎない。完全に再現できなかった以上、その体験というものは本当に戦争の本質、若しく人々は当時の状況に陥っていたのを伝達できるのか?また何らかの意義を持っているのか。私はこれについて、否定の意見を抱いている。戦争である限り、死傷者が必ず出る。そして、これにより生じた悲惨や傷はどんなに戦争体験しても、今の時代に生きている人に伝達できまい。体験はあくまでも体験であり、自分自身はその...