~テアル」は、「~テイル」形とともに日本語のアスペクトの代表的な表現であり、動作や行為によってもたらされた結果を表す「結果相」として今まで多くの研究者によって研究されてきた。そのような研究において「~テアル」形の重要な特徴として挙げられるのが、「~テアル」のもつ意志性や意図性である。
湯沢(1951)では、「動作・作用の結果が状態ととして存在することを表す」のに、「動詞の自他」及び、主体が有情であるか非情であるかによって、次のように捉えている(下記の表は野村1969:153から)
動詞
主体
自動詞 他動詞
有情 ている ている
非情 ている てある
また、近年の口語文や講演では、他動詞を用いる場合に、受身の言い方にして、それに「~テイル」をつけることが盛んになって来たと述べている。つまり、非情主体の場合、「自動詞+ている」「他動詞+てある」「他動詞+(ら)れている」の三者が対応している。
湯沢(1951)を受け、野村(1969)では、「~てある」を「~(ら)れている」に置き換えられるものとそうではないものに分類し、「~(ら)れている」に置き換えられる「~てある」と「~(ら)れている」とは、ほとんど違いがないという結論を出している。
それに対し、寺村(1984)では積極的に意味の違いを述べている。寺村(1984)では、「~テアル」と「~テイル」は「過去に実現したことの結果として現在の状態を述べる言い方」である点において同じであるが、「~テアル」は{その現状が誰か人の行為によってもたらされたものだと見立てている}点において「~ている」と違うと述べている。
「~テアル」について
1.先行研究
「~テアル」は、「~テイル」形とともに日本語のアスペクトの代表的な表現であり、動作や行為によってもたらされた結果を表す「結果相」として今まで多くの研究者によって研究されてきた。そのような研究において「~テアル」形の重要な特徴として挙げられるのが、「~テアル」のもつ意志性や意図性である。
湯沢(1951)では、「動作・作用の結果が状態ととして存在することを表す」のに、「動詞の自他」及び、主体が有情であるか非情であるかによって、次のように捉えている(下記の表は野村1969:153から)
動詞
主体
自動詞 他動詞 有情 ている ている 非情 ている てある また、近年の口語文や講演では、他動詞を用いる場合に、受身の言い方にして、それに「~テイル」をつけることが盛んになって来たと述べている。つまり、非情主体の場合、「自動詞+ている」「他動詞+てある」「他動詞+(ら)れている」の三者が対応している。
湯沢(1951)を受け、野村(1969)では、「~てある」を「~(ら)れている」に置き換えられるものとそうではないものに分類し、「~(ら)れている」に置...