佛教大学英米文学科A合格レポート
「EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。またそれがもつジレンマとは何か。もっとも基本的な目的と具体的な発言状況を要約して述べよ」
21世紀の世界経済はその変化過程のなかで、国としては日・米・欧州連合の三つの極になりつつある。対ドル・対円そして対ユーロで経済指標を指し図ることが常識になりつつある。その中身としては、激化する世界競争の中でアメリカ型の競争力のある国、企業の勝ち残りを賭けた競争型社会の実現された国、もう一つはEU諸国にみる、アメリカ型の活力ある自由競争社会の良さを取り入れながらも、ヨーロッパ独自の古き良き伝統や価値観を残した成熟した大人の国家が出現するのではないだろうか。しかしテキストのように、ヨーロッパ統合の問題を一般の住民や同じ住民の中でもマイノリティーの人々からみた場合に、文化・民族問題が重要な問題となるだろう。その文化・民族問題がヨーロッパ再生のために国民国家の変容や再編と言った形で昇華した場合、前述のような成熟した大人の国家が出現するのではないか。その問題を考えるにはヨーロッパの住民や世界の人々に貢献を果たすであ...