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道徳教育の意義について述べよ。
1. 特設「道徳」の成立
道徳教育とは、つぎの世代をになっていく子供たちに、人間としてふさわしい社会規範を身につけさせることである。それは子供一人ひとりが幸せになることを前提としており、子供たちの持っている様々な豊かな能力を見つけ、それを伸ばすことが必要となってくる。その能力とは、知識、情操、身体の三領域からなっており、それらの調和がとれて発達していくことが必要なのであり、道徳教育こそ、この調和のために欠くべからざる核となるものである。
戦後、「日本国憲法」に基づいた「教育基本法」が新しい教育理念となった。「教育基本法」では、「人格の完成を目ざし、平和的な国家及び社会の形成者として、心理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」を目指している。これにより、民主主義的な人間関係の探究が初めて可能となった。道徳教育は、決して上から教訓的にお説教をするのではなく、一人ひとりが自発的に行動することが大切であり、「教育基本法」の精神は道徳教育には欠くことのできないものである。この精神を具体化したものが、...