少年法を問い直す

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    (3,027字) このような少年事件が起きるたびに、それに付随して少年法改正問題が浮上してきた。私の印象に残っているのは、実名報道や顔写真掲載といった、加害少年に関する報道規制の問題だ。しかし厳密に言えば、これは少年法には触れていないという。実際に第61条を見てみると、
    『家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、〜〜中略〜〜記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。』
    とある。つまり、少年が審判に付される前である事件発生直後に実名や顔写真を掲載することは、61条には抵触しないのだ。法律自体は意外と厳しいのに、専門家たちの限りなく甘い解釈によって加害少年たちは守られている。私には、それは過保護としか思えない。少年による凶悪事件が起きるたびに、私はその刑の軽さを知ってすっきりしない思いを感じていた。特に強く感じたのは、2003年に起きた長崎の幼児誘拐殺人事件の時だ。ニュースで『犯人が”補導”された』と聞いたとき、私はこの上ない違和感を覚えた。残虐な犯行と「補導」という言葉が、どうしても結びつかなかった。加害少年は12歳だったため、刑事責任は問われず、少年院への送致もされず、最終的には児童自立支援施設へ送致される保護処分となるそうだ。数年後には出てきて、何事もなかったように普通の生活をしていくだろう。遺族の悔しさは計り知れない。殺された幼児の父親が意見陳述で、「極刑以外に納得できる処分はありません」と言っていたのが印象に残る。凶悪な犯罪に似つかわしくない刑の軽さに、多くの人は、私と同じように理不尽な気持ちを味わってきたはずだ。

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    少年法を問い直す
     近年、少年による凶悪犯罪がマスメディアで大きく取り上げられるようになった。ここ十数年間に起きた事件を見てみると、1989年の女子高生コンクリート詰め殺人事件、山形マット死事件(93年)、神戸児童連続殺傷事件(97年)など、痛ましい事件が多々ある。特に2000年には、名古屋の中学生による5000万円恐喝事件、豊川主婦殺人事件、佐賀バスジャック事件などの少年事件が立て続けに起きた。最近のものでは、長崎市の12歳少年による幼児誘拐殺人事件(03年)、長崎佐世保で起きた小6女児殺害事件(04年)が記憶に新しい。このような少年事件が起きるたびに、それに付随して少年法改正問題が浮上してきた。私の印象に残っているのは、実名報道や顔写真掲載といった、加害少年に関する報道規制の問題だ。しかし厳密に言えば、これは少年法には触れていないという。実際に第61条を見てみると、
    『家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、~~中略~~記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。』
    とある。つまり、少年が審判に付される前である事件発生直後...

    コメント4件

    herpetology 購入
    とてもよくまとまっていたが、参考文献名を載せて欲しかったなぁと思った。
    2006/07/18 4:39 (18年4ヶ月前)

    y64439226 購入
    助かりました!!
    herpetologyさん、参考文献は『少年法を問い直す』です。
    2006/07/28 1:04 (18年4ヶ月前)

    tomtom12 購入
    とてもよくまとまっていたと思います。
    2006/09/01 9:28 (18年3ヶ月前)

    g5121213 購入
    よかった
    2007/06/22 23:34 (17年5ヶ月前)

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