大動脈瘤
動脈の直径が正常範囲を超えて拡大している場合、これを動脈瘤(aneurysm)とよぶ。動脈壁の全層が拡張したものを真性動脈瘤という。動脈瘤の形には紡錘状のものや一部が突出した嚢状のものがある。また、発生した部位により、上行、弓部、下行(胸部)、胸腹部、腹部大動脈瘤などに分けられる。腹部大動脈瘤のことをAAA(abdominal aortic aneurysm)、胸部大動脈瘤のことをTAA(thoracic aortic aneurysm)と省略するが臨床の現場ではこれらの略語がしばしば使われる。
動脈瘤を有する患者の最終的な運命は、破裂による出血死である。瘤は毎年直径の10%ずつ拡大...