1.はじめに
本稿では日本民俗学がどのように形成し、展開していったのかを述べていき、その過程を経て現在民俗学にはどのような問題点があるのかも述べたいと思う。
2.民俗学の辞書的定義
民間伝承を素材として民俗社会、民俗文化の歴史的由来を明らかにすることにより、民族の基層文化の性格と本質とを究明する学問である。」(大塚民俗学会編1972)
日本民俗学の展開について
目次
1.はじめに
2.民俗学の辞書的定義
3.日本民俗学史の概要
4.日本民俗学の原型
(1)素地醸成期
(2)東京人類学会の結成
5.日本民俗学の成立
(1)雑誌『郷土研究』の発行
(2)周圏論の成立
(3)「民間伝承の会」の成立
6.日本民俗学の展開
7.おわりに
キーワード
日本民俗学 柳田国男 高度経済成長 民間伝承 周圏論
1.はじめに
本稿では日本民俗学がどのように形成し、展開していったのかを述べていき、その過程を経て現在民俗学にはどのような問題点があるのかも述べたいと思う。
2.民俗学の辞書的定義
「民間伝承を素材として民俗社会、民俗文化の歴史的由来を明らかにすることにより、民族の基層文化の性格と本質とを究明する学問である。」(大塚民俗学会編1972)
対象:民間伝承
方法:生活の変遷・歴史的由来・歴史的展開
目的:民族文化・基層文化・現在生活文化
3.日本民俗学史の概要
日本の民俗研究は、近世の文人による民俗への関心とその解釈から始まった。しかし、本格的な研究は明治に入ってからであり、他の多くの学問と同様に欧米から学んだものであった。た...