「社会福祉とは何かについて述べよ」
はじめに
「社会福祉」とは、何だろうか。『国語辞典』によると「福祉」とは、満足すべき生活環境を指し、「社会福祉」とは、身体障がい者や児童、高齢者をはじめ生活困窮者など弱い立場に在る人たちに対する社会的保護を指している。また、『社会福祉用語辞典』によると、「福祉」は広くは福利、幸せを表わし、命の繁栄を意味する社会福祉の目的概念であって、「社会福祉」とは時代、立場、人によってさまざまな定義づけされた社会全体の幸福・繁栄の意味であると書かれている。
歴史的には慈善、社会事業がその先行概念であり、代表的な「社会保障制度審議会」の昭和25年の勧告を掲げて、近年の対象限定的な福祉から、全国民を対象とする福祉に視点が広まりつつあると示される。
ある意味では、どれも正解である。つまり、どのような視点かの違った角度で見ることによって、社会福祉はいくつもの捉え方や概念規定が可能なのである。
ゆえに社会福祉専門職は、「社会福祉」とは何かについての理解とともに、社会福祉という概念に対して、多くの視点から説明できることが求められる。
1,「広義の社会福祉」と「狭義の社会福祉...