読書ノート40

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    弁護士 布施辰治 2010年6月15日 大石進 一信者、それも若い娘が法主直筆の本尊を与えられるなど、平澤家の在家としての家格の高さをうかがわせる。ちなみに第六六世法主細井日達は光子の甥であり、彼は震災後の一時期布施家から大学に通っている。
    脱獄の書でもあるこの本の看読が許されるはずはないと思いつつも、脱獄失敗の記録でもあることに一縷の望みを託して看読を出願したところ、許可が出た喜びを率直に語ってもいる。彼は語っている。「『レ・ミゼラブル』こそは、獄中で読むべく、獄中で読まねばならぬ、そして、獄中でのみ味読し、心読し、体読し得る、獄中試練の聖書である」と。
    布施は、冤罪は徹底的に争うが、犯した罪をことさら隠したり、ごまかしたりすることは、自分でもしないし、被告人にもさせない。ただし、被告人が心から納得できる判決をとろうと努力した・・・これが、裁判所をごまかして無罪を勝ち取るという、三百代言的弁護の姿勢と違うところである。トルストイの『復活』には、三百代言的な弁護士が大家として登場するが、彼らこそ布施のもっとも嫌う存在である。・・・犯した罪は罪として認めながら被告人を救おうとするとき、死...

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