サイボーグの変遷
私が「君はサイボーグになるのか?」という論文を読んでまず考えたのは、そもそも「サイボーグ」とはどのようなものを指すのか、ということでした。今日では、サイボーグという言葉自体は論文中にも見られるとおり漫画やアニメなどの題材として重要な位置を占めることも多いですが、それが具体的にどういったものを指すのかと問われると答えられない人も多いのではないかと思います。私はこの「サイボーグ」という言葉の本来の定義と共に、現在の技術で製作・使用されているサイボーグや技術の発展に伴って生じた問題点や危険性、そして技術の発展により将来実用化されうるサイボーグについて述べたいと思います。
まず、「サイボーグ」の原義についてですが、「サイボーグ(cyborg)」とは「サイバネティック・オーガニズム(Cybernetic Organism)」の略語です。これは直訳で「人工頭脳学的有機体」という意味で、人口臓器などの人工物を身体に埋め込むなど、身体の機能を電子機器などに代替させることで身体機能の補助や強化を行った人間のことを指します。ゆえにこの意味では、眼鏡やコンタクトレンズ、ペースメーカーな...