二重譲渡と横領罪の成否

閲覧数1,740
ダウンロード数5
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    二重譲渡と横領罪の成否~譲渡人の罪責~
    【問題】
     Xは、自己所有の土地をAに売却したが、Aが所有権移転登記を完了していなかったことを奇貨として、事情を知らない善意のBに同土地を売却し、代金を受け取るとともに所有権移転登記を完了させた。
    【問題点】
    ・・・Xの一連の行為が第一譲受人であるAとの関係で横領罪(刑252条)を構成するか。
     ⇒当該不動産が横領罪の客体である「自己の占有する他人の物」に該当するかが問題となり、
      ⅰ)「他人の物」であるか
      ⅱ)「占有」の有無
      ⅲ)委託信任関係の有無
      以上の三点を検討する必要がある。
    ・ⅰ)について
     売主が、買主から代金を受け取っていたり、登記に必要な書類を買主に交付していれば、所有権は買主に移転しており、売主にとって当該土地は「他人の物」といえる点では判例・学説一致している。
     特に問題となるのは、第一の売買が意思表示にとどまっており、代金の授受もなく、登記に必要な書類の交付もない場合、「他人の物」に当たるのかである。
    ・・・二重譲渡において、事情の知らない第二買受人との関係で売主に詐欺罪が成立するかも問題となる。
        ⇒ ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。