衝撃応答試験
1 実験目的
これまで、変形する個体の力学に関しては、物体の加速度の影響が無視できるような準静的平衡状態を仮定してきた。しかし、衝撃的な力・熱・変位を受ける場合は動的問題として取り扱う必要があり、平衡方程式は加速度の項を含んだ運動方程式で表わす必要がある。この場合、負荷された荷重の影響は、応力波の形で荷重点から有限の速度で物体の他の部分に伝達される。
このような応力波は、音波などと同様に反射・屈折・分散などの現象を伴い、従って動的問題においては、静的な場合からは予想もできないような現象が現れることがある。その例として、入射波と反射波の重ね合わせによって、最も断面積の大きな部分や荷重点から遠く離れた自由表面上で破壊が生じたりする。
本実験では、動的問題の基本的特性を学ぶことを目的とする。その例として、一端が固定された真直ぐな弾性棒の自由端に剛体が衝突する場合を取り上げ、そこに生じる一次元応力波の挙動を実験的ならびに理論的に検討する。併せて、このような実験を行うための手法も習得する。
2 実験内容の解説
一次元応力波に関する予備的考察
図1:一様な弾性棒のモデル
一...