初期近代英語(1500年頃─1700年頃)とはどのようなものか、その時代背景、発音、文法、語彙について述べよ。
およそ1500年から1700年頃の英語は、初期近代英語と呼ばれる。学校教育が普及し、古典作品の翻訳が盛んになった時期である。例えば、ウイリアム・ティンダルがギリシャ語原典から新約聖書を英訳し、後の『欽定訳英語聖書』に大きな影響を与えた。欽定聖書は英語本来の単語が多く使われ、近代英語散文の基礎となっている。これらの書物の出版を可能にしたのが、印刷術の発達である。印刷術の発明と普及、つまり写本から印刷による出版への移行は、教育や標準英語の普及など文化的にも社会的にも大きな影響を与えたのである。15世紀中頃には、主として東中部方言に基礎をもつロンドンの英語が文章語の模範として認められ、さらに書籍印刷の発達、普及により、実際に標準的文章語となった。そして、首都ロンドンを中心とする英語が標準英語として発達し、イングランド全土に急速に普及していったのである。
初期近代英語の時代は英国のルネッサンス期にあたり、古典や古代に対する関心が高まった。そのため、知識人の間ではラテン語がもてはや...
6つの題意に基づいて記載されています。