上腕骨顆上骨折についての概要をまとめたもの
上腕骨顆上骨折
p142、393
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①病態…本骨折は,小児でもっとも頻度の高い骨折の一つである。5~10歳に多い。
②原因…ほとんどは,滑り台,鉄棒,ブランコ,跳び箱などをしていて肘関節を伸展して転倒したときに生じる伸展型骨折で,X線側面像で骨折線は前下方から後上方に走り,遠位骨片は後上方へ転位する(図1)。稀に肘を屈曲して打つと屈曲型骨折となり,骨折線は後下方から前上方へ走り,遠位骨片は前方に転位する。(⇒ⅰ)
図1 小児上腕骨顆上骨折(伸展型骨折の骨片転位)
③症状…肘関節自動運動不能で上腕遠位部に強い圧痛,他動痛があり腫脹が著明である。転位のあるものは,肘頭が後方に突出してみえる。肘頭,上腕骨外上顆,内上顆の形成する三角(Huter[ヒューター]三角)は正常である(図2)。(⇒ⅰ)
図2 Huter線(伸展位)とHuter三角(屈曲位)
④検査・評価項目…骨折の転位,折れ方,粉砕の程度,骨癒合に影響する全身疾患の有無,貧血,低蛋白などの栄養状態,リハビリテーションに関係する心肺機能,撓骨・正中神経麻痺の有無,可動域検査,筋力検査,知覚検査,ADLレベルも評価して...