MTF(Modulation Transfer Function)とは明暗の縞模様をその望遠鏡でみたとき、どのくらいコントラストが低下して見えるかを示したものである。画像の解像力は回折や収差のよって制限されるため、望遠鏡をのぞいたときに見える明暗模様(出力画像)は、もとの明暗模様(入力画像)よりコントラストが低下してしまう。この明暗模様の周波数が高くなればなるほど、望遠鏡で見えるコントラストが低下する。つまりヒトの目は高周波数に行くほど知覚しづらくなる。
写真に写すと眼で見た印象よりもコントラストが強くなり、眼では見えていたはずのシャドウ部がつぶれることが多いのは、眼の特性があるからである。
つまりこれまでのそれぞれの特性をまとめると、視覚のMTFに比べて視力は、眼の光量調節範囲の方が比較にならないほど広いということである。よってMTFに比べ色のコントラストがより鮮明にはっきりとあらわされるので。また、サッカードにより、視覚のMTFとは違い、物体の動きに対しても正確にそのもの映像を、MTFのように収差などに邪魔されること無く、とらえることができる。
数理自然6・視覚と画像
視力と視覚のMTF特性についての比較
<視力の特性>
ヒトの目の空間周波数特性は帯域通貨型をしており、コントラストのある境界には、原図に意図的なシュート成分がなくても輪郭があるように見える。これはマッハ効果とよぶヒトの目の視覚特性である。
*マッハ効果・・・ステップ状の輝度分布をした物体を見たときに、ステップの境界部において輝度の高い部分は実際よりも輝度が高いように知覚され、輝度の低い部分は実際より輝度が低いように知覚される現象で、輪郭の強調という作用がある
ヒトの眼は静止している物体を認識できる。これはヒトの眼球運動を検出しその変化の応じて、パターンを移動しているか...