英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになります。英文が作られる過程を順を追って見てみましょう。
英文構造が秘める「説明する力」
僕は極度の英文構造中毒です。英文が持つストレートで理論的な構造に魅せられています。僕は英文ライティングを習うと同時に、物事を文章で説明するとは何かを知りました。rokAブログの記事は、英文構造を日本語に適応させることで組み立てることによって、留学周辺に関する事柄を「説明」しています。英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになります。以下、英文が作られる過程を順を追って見てみましょう。
【ステップ1: テーマの決定】
【1】テーマは必ず一文に要約される
テーマとは、読者に最も伝えたい内容のことです。このテーマ次第で、これから書く文章の全てが決定します。この記事のテーマは「英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる。」です。
テーマは必ず一文に要約されるというルールがあります。この一文に要約された内容に、全文章の矛先が向かいます。それはピラミッドの頂点に似ています。その一文に要約されたテーマが正しいことを証明するために、全ての文章を組み立てていきます。それは同時に、このテーマを支えるセンテンス以外は書くことが許されないということでもあります。
【2】テーマには筆者の情熱が必要不可欠
また、テーマには必ず筆者の情熱がこもっていなければいけません。そのテーマを読者にどうしても伝えたいという想いが、文章を自然に躍動させます。テーマに情熱を感じなければ、その文章を書く価値はありません。筆者が物凄い楽しい!と感じながら書いた文章は、読者を楽しい気持ちにするでしょう。反対に筆者が嫌々書いた文章は、読者を退屈にするに違いありません。英文構造中毒である僕は、このテーマについて何時間でも話すことが出来ます。常に誰かに伝えたいと思い続けてきました。今からどのようにして伝えようか凄くワクワクしています。と同時に、どうしてこんなに素晴らしい手法が日本に広く普及していないのかと激しく不満を覚えていました。今、この瞬間にタイプされていく文章は、どうしても伝えたいという強い衝動によって生み出されれています。
【3】テーマ決定時に需要は一切無視する
テーマを決める際に、読者のことを一切考えてはいけません。これは一番誤解されている点でもあります。まずは情熱を持って書けるテーマを決定することが先決です。いくら需要のあるテーマでも、それについて勝手に筆者の筆が走りだすような話題でなければ文が死んでしまいます。筆者の情熱と世間の需要がマッチするに越したことはありませんが、好きに勝るものは無いと考えてまず間違いありません。
【4】テーマ決定後、最上級を含む疑問文に変換する
テーマが決定したら、次にテーマを「どのようにすれば~できるか?」という疑問系に変換します。これは「凄い会議」という本からエッセンスを拝借した僕独自の方法です。例えば今回のテーマは「英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる。」でしたが、これを疑問文に変換すると「どのようにすれば【英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる】ことを伝えることが出来るか?」となります。更にこの疑問文に、最上級を示す語を付け加えます。例えば、「どのようにすれば【英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる】ことを【日本一分かりやすく】伝えることが出来るか?」と言った具合です。
【5】 強い執筆意欲を得た段階で次のステップへ移る
何故、最上級を示す語を加えた疑問文に変換するのでしょう。それは人間の脳が、疑問文を見た瞬間に答えを考える性質があるからです。また、どうすれば分かりやすく伝わるか?という疑問文よりも、どうすれば日本一分かりやすく伝わるか?という疑問文の方が深い着想を得ることが出来ます。(例えその答えが日本一ではなくても、です。)僕の場合、情熱を持っているテーマで最上級の語を含む疑問文を見ると、頭の中で何となく答えらそうだなと感じ、そこから更に具体的な文章に落とし込みたいという感覚に襲われます。もしこの時点で物凄く強い衝動を覚えたなら、もう文章の90%は完成したも同然です。後は脳の中で無意識にまとまっている筆者の解が、文章という一つの表現形式に変換されながら自動的に流れ出ていきます。さて、テーマが決定したら、次はトピックセンテンスの決定です。
【ステップ2:トピックセンテンスの決定】
【1】トピックセンテンスとはテーマを支える柱となる文
トピックセンテンスとは、テーマを支える柱となる文です。テーマとトピックセンテンスが文章の骨組みを形成するため、英文エッセイ等ではこの2点を把握できれば主旨が大体理解できます。残り全ての文章はその骨組みを肉付けするために付け足されていくと捉えて下さい。
【2】トピックセンテンスは必ず【何故「テーマ」なのか?】に対応する
トピックセンテンスはステップ1で作ったテーマと連動します。テーマとは筆者が伝えたいこと、すなわち主張です。主張には裏づけが必要であり、その裏づけこそがトピックセンテンスとなります。よってトピックセンテンスは【何故「テーマ」なのか?】という文に対応する答えとなります。
ステップ1で作ったテーマを例にすると、【何故、「英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる」のか?】となります。この疑問文に答える文がトピックセンテンスとなるわけです。例えば、「適切なテーマ設定をすることによって生きた文を書くことが出来る」「明確なトピックセンテンスはテーマを支える柱となって主張をサポートすることが出来る」「イントロダクション・ボディーパラグラフ・コンクルージョンを作ることで文体にリズムに乗せることが出来る」から、などといった具合です。
【3】できる限り多くの選択肢を出す
また、トピックセンテンス決定の際には、出来る限り多くの選択肢を出すべきです。ブレインストーミングするも良し、マインドマップで拡散させるも良しです。とにかく思いつく限りのテーマに対する【解】を書き出し、その中から最も強力と思われるものをピックアップします。ピックアップする数は書きたい文章の長さによって変わってきます。これに関しては次のステップで詳しく説明しますが、選択したトピックセンテンスの数だけ段落が増えることになります。
【4】トピックセンテンスは「強度」と「均一性」が重要
ではトピックセンテンス決定時に重要となる要素は何かと言えば、強度と均一性です。
主張を支えるトピックセンテンスにはそれぞれに強度があります。あるトピックセンテンスは主張を強力にサポートしますが、あるトピックセンテンスは主張を微力にしかサポートしません。例えば僕の友人が「今日ra-miは大学を休むだろう」(テーマ/主張)と言ったとして、「何故なら昨日ra-miは徹夜して今頃寝ているだろうから」(トピックセンテンス/根拠1)と「何故ならra-miは昨日に日本へ帰国したから」(トピックセンテンス/根拠2)では、根拠2の方が圧倒的に説得力があります。そしてこれはトピックセンテンスにも同じ事が言えるのです。
次に均一性です。トピックセンテンスを3つ選択したとして、その3つは偏ることなく均一な距離感を保っていなければなりません。例えばさっきの例で「今日ra-miは大学を休むだろう」という主張があったとして、「何故なら昨日ra-miは徹夜で今頃寝ているだろうから」「何故ならra-miは一昨日も徹夜で寝ていないから」「何故ならra-miは徹夜すると大抵は学校を休むから」という裏づけを挙げたとします。けれども3つの裏づけは全て「睡眠」の事柄から推測していているので非常に偏っています。均等な裏づけとは「何故ならra-miは昨日徹夜したから」「何故ならra-miは昨日風邪を引いたから」「何故ならra-miは3日前から学校に来ていないから」といった具合です。この3つは均等ですが、強度が弱いです。
そこで最後に、強度と均一性が揃った裏づけの例を挙げてみましょう。「何故ならra-miは昨日に日本へ帰国したから」「何故ならra-miは1週間前から学校を休学しているから」「何故ならra-miは貫徹して起き続けられる体質ではないから」。ここまで強い裏づけが均一に3つも揃えば、もう絶対にra-miは学校に来ないと断言できるかと思います。
【5】強度と均一性の揃ったトピックセンテンスは強力にテーマをサポートする
こうして強度と均一性を意識しながら決定されたトピックセンテンスは、テーマ/主張を強力にサポートします。ここまでの過程で「テーマ(主張)+トピックセンテンス(裏づけ)」という文章の骨格は完成しました。後はイントロダクション(起)・ボディパラグラフ(例)・コンクルージョン(結)という英文構造に乗っ取って肉付けを行うのみです。
【ステップ3:Intro・Body・Conclusionの決定】
【1】英文構造のテンプレートを把握する
ステップ3では、ステップ1で作ったテーマと、ステップ2で作ったトピックセンテンスを元にIntroduction/Body/Conclusionを作ります。以下はその3つを含む英文構造を的確に示した図です。これはアメリカの高校・大学で教...