R0106-1 北方民族史

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    資料紹介

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    北方民族の歴史と漢民族
     中国の北方民族と一口に言っても、たくさんの国が興っては滅び、繁栄しては衰退していくことを繰り返してきた。日本のように限られた領土内に一つの民族が一つの国家を形成した上で歴史を歩んできたのではない。領土が一定でなく、複数の民族が共存する中国の長い歴史の中で、時には主役になり、絶えず傍らに存在し続けた北方民族を、匈奴から五胡(十六国から北魏)、柔然、突厥、ウイグル(回紇)、契丹(遼)、女真(金)、モンゴル(元)、タタール(北元)、満州(後金)までの歴史を中心として論述していく。
    文字を持たなかった北方民族自らが記した資料はなく、中国史から彼らの存在を伺うことになるのは秦の時代に匈奴が存在したことである。匈奴は中国が統一される以前から存在したといわれるが、中国との関係は定かではない。秦が万里の長城を建設したのは、匈奴からの攻撃を防ぐためであったことは有名である。秦が滅びた後に起こった漢は初期に匈奴との戦いで破れたため、献上品を贈るなど低姿勢で接していたが、武帝の時代になると穀物の輸出を禁じて貿易で主導権を握るとともに、周辺の国へ遠征し匈奴の貿易ルートを遮断するなどし...

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