「算数教育における学習指導要領変遷の概略について述べよ。」
まず、学習指導要領とは、小学校、中学校、高等学校、養護学校などの各学校が編成する教育課程の指針であり、学校教育法施行規則に基づき文部科学大臣(省庁再編以前は文部大臣)により告示されるものである。学習指導要領自体の趣旨は、全国どこで教育を受けても一定の水準の教育を受ける事が出来るようにする為の基準であり、そこで示される内容はすべての生徒に対して指導する必要がある最低基準として位置付けられている。日本国における学習指導要領は昭和22年に始めて発行され、その後6回の改訂を重ねて現在に至っている。改訂は約10年ごとに行われ、その時代の教育理念、社会からの要請に裏付けられたものとなっていた。
第2次世界大戦後、日本は連合国軍総司令部(GHQ)の占領管理下に置かれた。連合国軍総司令部は、米国教育使節団が派遣し、日本の教育に関する報告書をまとめた。その報告書は、日本戦後の教育改革の動かしがたい方針となった。
この報告書の示す方針のもとに、教育改革について調査、審議を行う為、文部省に設置された教刷新委員会(後の、教育刷新審議会)の建議...