論証:監査役の兼任禁止
問題提起 顧問弁護士は監査役を兼任することができるか。顧問弁護士が、監査役との兼任を禁止される「使用人」(335条2項)にあたるのではないかが問題となる。 理由 そもそも、使用人との兼任を禁止する335条2項の趣旨は、監査役の監査機関としての性質上、自己監査を防止し、監査役の地位の独立性を確保し、もって監査の公正を図る点にある。
他方、顧問弁護士は、会社の使用人とは異なり、自らの職業として自己の責任において職務を遂行するのであるから、取締役等の指揮・命令に服するものではなく独立性が確保されている。 結論 したがって、顧問弁護士は、「使用人」にあたらず、監査役と兼任することも認められる。