医療をめぐる法律問題について
医療に関しての問題は最近になって本当によく聞くようになっている。それは従来の医療と現在の医療に、大きな変化が生まれたからである。
従来の医療は、恩恵的・権威主義的色彩を帯びており、必ずしも患者の立場に立っているものではなかった。そこで、医師と患者の権利義務に基づいた関係に変えていくことで適切な医療を確立していこうとしているのが現在である。例としては、患者の自己決定権の承認、医師の医療過誤責任を追及する訴訟の増加などが挙げられる。
患者の自己決定権とは、患者は医療の単なる客体ではなく、医療の実施に際して主体的地位を認められる存在であって、診療に際しての重要事項の最終決定は患者がなしうる。という権利である。そして、自己決定権の適切な行使、診療行為を受け入れるか否か、といったことはあらかじめ説明(特に危険性、拒否した場合の余後)を受ける必要がある。つまり医師はあらかじめ患者に対して説明を与えた上で、同意を得て診療をするべきなのである。現在、患者に対する説明及び同意付けの必要があること、そしてそれが患者の自己決定権に基づいていること自体は、医学界においても基...