A判定合格のリポートです。
わが国において、1990年代に至ってあらわになった「経済の自律的拡張のメカニズム」と「信頼の構造」とが壊されたという事態について、1)その実態を明らかにし、2)それをもたらした「源流」としての「構造改革」の思想・政策の核心的内容を説明せよ。
『わが国において、1990年代に至ってあらわになった「経済の自律的拡張のメカニズム」と「信頼の構造」とが壊されたという事態について、1)その実態を明らかにし、2)それをもたらした「源流」としての「構造改革」の思想・政策の核心的内容を説明せよ。』
戦後日本の景気循環において、1997年から始まる景気後退は、それまでのものとは異なる要因によって引き起こされた。
国際収支の変動に応じて行う金融政策が、景気循環の要因であった1960年代、景気拡張が海外経済情勢によって止められ、財政政策が景気浮揚策として重視された1970から1980年代半ば、長期に及ぶ金融緩和によるバブル景気とその反動不況、財政、金融双方の政策によるゆるやかな回復をみせた1980年代半ばから1990年代半ば、これら三つの時代における景気循環は市場経済の本質から生まれる力、外部(海外)からの力、そしてそれらに対応した政策の力によって引き起こされている。しかし、1997年から始まる景気後退は、市場経済の動きや海外との関係において、それらとの因果関係はない。残る要因である政策がもたらした不況であることは確かなのだが、それが景気の拡張...