読書感想文参考 読書レビュー 夏目漱石編(草枕・虞美人草・門・それから・三四郎)
読書感想文参考 読書レビュー 太宰治編(晩年・パンドラの匣・正義と微笑・もの思う葦・人間失格)
★草枕
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。 彼等の楽は物に着するのではない。同化してその物になるのである。その物になり済ました時に、我を樹立すべき余地は茫々たる大地を極めても見出し得ぬ。
★虞美人草
この世に生まれるのは、解けぬ謎を押しつけられて白頭に儃徊し、中夜に煩悶するために生まれるのである。親の謎を解くためには、自分が親と同体にならねばならぬ、妻の謎を解くためには妻と同心にならねばならぬ。宇宙の謎を解くためには宇宙を同心同体にならねばならぬ。これができねば、親も妻も宇宙も疑いである。解けぬ謎である、苦痛である。・・・すべての疑いは身を捨ててはじめて解決ができる。ただどう身を捨てるかが問題である。死?死とはあまりに無能である。 向こうへ行って一歩...