「算数科における基礎・基本とは何か。また、基礎・基本の確実な定着を図るための指導上留意することについて述べなさい。」
近年は、新しい知識や情報、技術が社会のあらゆる領域で基礎とされる、「知識基盤社会」の時代となっている。また、核家族化、共働き家庭の増加、少子高齢化などの家庭環境の変化もみられている。これらを背景に、いじめや不登校問題、犯罪の低年齢化などの問題が増加してきており、子ども達の心の問題と教育の在り方が問われている。
このような著しく変化する社会に対応するために、子ども達には、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和を重視した「生きる力」の育成が重視された。そのため、新しい学習指導要領は「生きる力」の根本となる基礎・基本の定着を期待し、改善が図られた。つまり、学習指導要領の目標や内容を達成することにより、基礎・基本の定着につながるのであり、目標そのものが今日における基礎・基本といえるのである。以下では、その学習指導要領の目標と、内容の指導上の留意事項について述べる。
1.平成20年学習指導要領算数科の目標
平成20年学習指導要領算数科の目標は以下の通りである。
「算数的活動...