深部静脈血栓症

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    平成22年4月15日

    高森 俊恵
    深部静脈血栓症

     高齢者・肥満患者・長期臥床患者に術後、特に股関節や下肢の術後に発生の危険がある。深部静脈血栓症は静脈のうっ帯・血流の緩徐・静脈外皮の変化などで静脈内腔に血栓が生じる。心疾患・衰弱・手術などで右心うっ血が原因で全身的に静脈血流が緩徐になるとその危険性も高くなる。また、肺塞栓の原因になるので注意する。

    ベッド上でも、臥床時の機能訓練、足指の底・背屈、足関節の自動運動を中心に静脈の環流を図り、一般状態を良好にする。

    ・一般状態

     軽度の発熱、血圧低下、頻脈、LDH(乳酸脱水素酵素)の上昇、PaO2(正常値:75~100mmHg)などの症状が出現する。術後1~2週間  は呼吸状態の変化(肺塞栓の徴候である胸痛、呼吸異常の訴えに注意)に注意する。

    ・膝窩部の圧迫

     肢位の補正時、支持枕は柔らかいものを使用、圧迫しないように注意する。膝窩部の静脈の圧迫は静脈のうっ帯につながる。

    ・ファーラー位

     ファーラー位を長時間続けると骨盤静脈うっ帯、膝窩静脈の圧迫のため大腿静脈血のうっ帯を招くので短時間とする。

    ・他動的足関節背屈で腓腹部に痛み

     痛みがあると下肢静脈血栓の徴候。徴候が出現にしたら運動を中止し安静とする。必要時は下肢に弾力包帯を巻き静脈うっ帯を予防する。

     ※ホーマンズ・サイン…仰臥位で足関節を強く受動的に背屈させた時、腓腹部に鈍痛を誘発する。

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