文学とは何かについて、テキストに書かれていることをまとめ、さらに具体的作品をとりあげて自分の考えを述べよ。
はじめに
本レポートでは、Ⅰ~Ⅲ章で、まず、テキスト『文学概論』の “文学とはなにか”の部分をまとめる。そして、第Ⅳ章では、筆者がイメージする“文学”を「読書の魅力」という視点から考える。
Ⅰ 文学とは
文学とは人間の生き方に関わるものであり、それもつねにその生き方への積極的な取り組みの中に浮かび上がるべきものである 。
Ⅱ “負学”“虚学”としての文学
文学以外の学問は、つねに実際的な明確な目的、対象を有するがゆえに、まぎれもない実学であるが、文学はその実学に対比される“虚学”として、その諸々の実学の存在そのものの根源に問いかけを発するべきものである。それはちょうど、実数に対する虚数のようなもので、プラスの対立として毅然と存在するものであり、“負の姿勢”を有していると考えることもできる。
プロパガンダの道具としての文学は、その独自性、自立性を失い、一回の道具として、本来の人間探求の真摯さを失ってしまう。文学は目的の否定・排除のなかに自らの本質を堅持するのである 。
Ⅲ 優れ...