戦後、日本は急激な高度成長を成し遂げ、現在はお金を払えば、日々の生活に必要な物は何でも手に入れることが出来る。しかし、豊かな日本が抱える現実は、少子化、核家族化、人間同士の繋がりの希薄、親子間の断絶など深刻な問題がある。未来を担う子どもたちが生まれ育つ基盤は家庭教育にあるため、その重要性について述べていく。
家庭は、子どもが自立していく上で2つの機能を有すると言われている。以下に述べる。
(1)養護的機能
衣・食・住という生活の基本的なニーズが満たされる場である。つまり、子どもにとってその生命及び成長に必要な食事が用意され、睡眠や健康などが維持、精神的に安定した生活が維持される場といえる。また、家庭は血縁集団として強い情緒的結びつきによって形成され、親にとっても子どもにとっても家庭外での精神的な緊張や疲れを癒す場でもある。
(2) 発達の課題達成への援助としての教育的機能
1)子どもにとって人間形成の基礎が培われる場
無力な状態で生まれた新生児は、親の手厚い保護のもと、人生をスタートさせる。この時、母親が全面的にかかわる場合が多いので、最初の人間関係は母子関係を結ぶこと、次に父子関...