A評価
ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ。
1、教育の原理を考える
①有機的・発生的教育方法について
ペスタロッチーは、ルソーと同様に、子どもには生まれつき将来発展する「素質」が備わっており、この素質が子どもの内から発展するように助成することが教育と考えた。そのため、子どもは生まれながらには未だ動物的にあるにすぎず、この動物的衝動を根絶することが教育なのであると考える古い教育観に真っ向から反対した。
こころか、ペスタロッチーはロックの唱えたタブラ・ラサ説とは異なる教育観を持っていたことが伺える。ペスタロッチーの教育観は、子どもの本性は白紙ではなく、既に将来成長する能力を内的に有しているのであると唱え、この能力を自然に即した形で伸ばしていくことが重要であると考えた。つまり、子どもの内的素質を重視するという点で「有機的」であり、また自発的な成長を促している点で「発生的」であるといえる。そのため、この教育観は「有機的・発生的」と呼ばれた。
また、ペスタロッチーは『探求』のにおいて、人類の進化を四つに分けている。その順序は、①自然的状態→②社会的状態→③道徳的状態である...