本実験は、銅線から結晶硫酸銅を合成し、その収率を求めること、合成した結晶硫酸銅の実験式を求め、正しく合成が行われたことを確認することを目的としたものである。
[緒言]
●硫酸銅とは
●再結晶の原理
●結晶について
●キレート滴定法について
[実験]
Ⅰ 結晶硫酸銅の合成
Ⅱ 結晶硫酸銅中の銅の定量
[結果]
●収率の算出
●結晶硫酸銅の実験式の算出
[考察]
●三斜晶系の結晶硫酸銅を作るために必要な条件について
●結晶硫酸銅の実験式の算出について
[参考文献]
[緒言]
本実験は、銅線から結晶硫酸銅を合成し、その収率を求めること、合成した結晶硫酸銅の実験式を求め、正しく合成が行われたことを確認することを目的としたものである。
合成した結晶硫酸銅の実験式を求めるためには、結晶硫酸銅中の銅の定量を行うことが必要であるため、キレート滴定法を用いて銅の定量を行った。
硫酸銅とは、無水塩のほかに1、3、4、5分子の結晶水を持つ水和塩が存在する銅塩である。結晶水とは、結晶格子中の一定の位置を占め、一定の化合比で含まれる水分子の総称である。カチオンに配位した配位水、アニオンと水素結合したアニオン水、カチオンともアニオンとも結合していない格子水に分類され、これらの結晶水が加熱によって段階的に脱水されることにより、結晶構造が変化する。
硫酸銅はふつう五水和物として存在するが、これを加熱によって脱水することにより、多の水和塩を得ることが可能である1),2)。
硫酸銅無水物CuSO4は灰白色粉末であり、水を吸収すると青色を呈する。この性質より、硫酸銅無水物は有機性液体中の水分の検出、乾燥剤として用いられる。
また、五水和物CuSO4・5H2Oは鉱物として自然産出す...