多くの世界のさまざまな宗教の概念には、聖なるものと俗なるものとの区分を含んでいて、信者は自らの救済のためにささやかな活動をおこなっている世界にたいして、もうひとつの領域を対置する。この区分は宗教的な現象を規定するには必ず十分なものではないが、どのような宗教にもその定義に聖と俗の対立が含まれるのは明らかである。
聖なるものはある種の事物、ある種の人物、ある種の空間、ある種の時間に永続的に、あるいは一時的に宿っている。聖なるものは事物がそれ自体の力では獲得することのできない特質であって、神秘的な恩寵によって事物に付け加えられたものである。
聖なるものとは『俗』にとって全く及びもつかぬ絶対他者的で、神々しく、巨大なるものであり、同時に尊厳ですさまじい活動力と底知れぬおそろしさを秘めつつ、しかも人々を魅了せずにはおかぬ神秘的吸引力をあわせ備えたものであるとオットーはいう。
『聖なるもの』
多くの世界のさまざまな宗教の概念には、聖なるものと俗なるものとの区分を含んでいて、信者は自らの救済のためにささやかな活動をおこなっている世界にたいして、もうひとつの領域を対置する。この区分は宗教的な現象を規定するには必ず十分なものではないが、どのような宗教にもその定義に聖と俗の対立が含まれるのは明らかである。
聖なるものはある種の事物、ある種の人物、ある種の空間、ある種の時間に永続的に、あるいは一時的に宿っている。聖なるものは事物がそれ自体の力では獲得することのできない特質であって、神秘的な恩寵によって事物に付け加えられたものである。
聖なるものとは『俗』にとって全く及びも...