生理学「興奮の伝達」

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    1つの細胞の興奮が他の細胞につたえられることを「興奮の伝達」という。ニューロンの軸索終末と他のニューロン、筋あるいは腺細胞との接合部をシナプス呼ぶ。神経の軸索を伝達してきた活動電位は、シナプスにおいて次の細胞に伝えられる。シナプスにおける興奮の伝達は、一般に科学的に行われる。すなわち、軸索終末が興奮するとそこから化学伝達物質が次の細胞に作用して、その細胞の膜
    電位を変化させる。化学シナプスは、軸索末端のシナプス前終末と次の細胞のシナプス後膜との間には、シナプス間隙と呼ばれる20~50nmの狭い間隙がある。シナプス後膜のうち、シナプス前終末とちょうど向かい合っている部分をシナプス下膜と呼ぶ。シナプス前終末は、シナプス小胞を大量に含んでいる。シナプス小胞内には化学伝達物質が含まれおり、神経の興奮によってシナプス間隙に放出さ
    れ、シナプス下膜に作用する。シナプス下膜には、化学伝達物質に対して特異的な反応を示す受容体が存在する。受容体が働いて、はじめて細胞は興奮したり抑制されたりする。シナプス伝達の特徴として、次のことがあげられる。
    ①一方向性伝達:シナプス前ニューロンの興奮は、末端からシナプ...

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