Y国立大学において、就職セミナーのはじめに1時間ほどの講演をしたときの小論文資料です。就職が難しいなかでこそ、その意義を考える必要があるとともに、企業側がよく考えることのできる人材を求めていることを知って欲しいと思います。
「企業がその変革に求める人材」
目標や価値を自ら探し出していく能力のある人
就職が難しいという状況の中で、〈就職することが意識として難しい〉というNEET(Not in Education, Employment or Training)の若者が増えているのは困った問題です。統計資料によれば、1997年に8万人程度だったNEET(その頃こう呼んでいたとは思えないが)が2000年には17万人、2005年には60万人になり、2008年には80万人を超えたそうです。
なぜ仕事をしない、したくないのか。仕事をすることが自分に合わない…、人間関係が良くない…、キャリア形成ができない…等という常識的な社会人には意味の不明な理由付けがならびます。これらをまとめると、「人生における仕事の意義が見出せない。自分の本当にやりたいことがわかっていない人達」だということになります。多くの人がそういう状況だとは思えませんが、「仕事の意義」と「やりたいこと」という点において、企業の受け入れ側と就職しようとしている学生の間にギャップがあるのではないでしょうか。
そこで、現在の多くの企業が就職したい学生に望んでい...