1 要約
世界における年産13億トン以上の食糧用・飼料用穀物の半分は、世界全体の人口の25%だけしか占めない先進国によって消費されている一方、現在における先進国における家畜の量は世界の全穀物生産量の25%に相当する。この統計によると「中国とインドの国民合わせて約13億人(現在は20数億人)の全消費量に匹敵する。」のである。
1972年における「大凶作」時の実際の穀物の収穫量はそれまで最高記録だった1971年よりわずか1%減だった。その一方、世界の4代穀物生産国が1960年代の“過剰生産”に対処するため、1968〜70年の間、耕作地の3分の1を休耕した。万が一これら各国が例年通りに作付けしていれば、1969〜72年の小麦の生産高は9000万tを確実に超えているはずだ。そこで世界食糧会議で国際食糧農業機関(FAO)の事務局長は、インド・バングラデシュなどの国における最悪の事態を回避するために要請した小麦の量は800〜1200万tだった。これは道徳的に恐ろしい状況であり、経済的に先進国における食糧生産は市場の需要に動かされている実態である。これにより、飢餓の問題が人間の手に負えない次元ではないが、世界の経済体制の問題であることは確かである。
IQが80以下、酷いときには60以下になった母親は、我が子を上手く育てられない傾向がある。母親のIQが高ければ高いほど、全く同じような社会経済条件にあり、同じように僅かな食糧しか得られなくても、子どもを飢えさせないように何とかできる。彼らには組織力のある豊かな人物の救済が必要である。飢えている人が苦しんでいるのに飢えさせている当事者が自分達の行為に気づかないことは全く可笑しいことである。
低開発国の現在の土地所有者の偏り・低生産性が本来生産できるはずの食糧を作らせない。
レポート「なぜ世界の半分が飢えるのか 食糧危機の構造(スーザン・ジョージ著)」
1 要約
世界における年産13億トン以上の食糧用・飼料用穀物の半分は、世界全体の人口の25%だけしか占めない先進国によって消費されている一方、現在における先進国における家畜の量は世界の全穀物生産量の25%に相当する。この統計によると「中国とインドの国民合わせて約13億人(現在は20数億人)の全消費量に匹敵する。」のである。
1972年における「大凶作」時の実際の穀物の収穫量はそれまで最高記録だった1971年よりわずか1%減だった。その一方、世界の4代穀物生産国が1960年代の“過剰生産”に対処するため、1968~70年の間、耕作地の3分の1を休耕した。万が一これら各国が例年通りに作付けしていれば、1969~72年の小麦の生産高は9000万tを確実に超えているはずだ。そこで世界食糧会議で国際食糧農業機関(FAO)の事務局長は、インド・バングラデシュなどの国における最悪の事態を回避するために要請した小麦の量は800~1200万tだった。これは道徳的に恐ろしい状況であり、経済的に先進国における食糧生産は市場の...