認知症高齢者を介護する家族が意図せずに高齢者に対する虐待を行ったケースについて考察した。
ケースの概要:
引きこもりの息子の生活を支えてきた母親に認知症の症状が顕著になった。
息子は母の状況が理解できず生活困難を抱える。
しかし疎遠な兄弟に支援を求められないため、気持ちと裏腹に虐待が生じた。
対応するソーシャルワーカーは、専門職が連携して家族のエンパワーメントを導く支援を行った。
家族は母親の介護を行うことで過去の軋轢を修復し、地域社会との関係を取り戻す。
高齢者の介護では養護者にかかる負担も大きいため、養護者自身も余裕を失い、高齢者の生活の質を向上させるため余裕もなく、さらに養護の負担感を...