現代日本文学(7)
『TVピープル』
私が何故『TVピープル』を選んだのか。『TVピープル』という表題に、ものすごい毒気と揶揄を感じたからだ。『TVピープル』。まるで現代人の代名詞みたいではないか。このネーミングセンスには脱帽するしかない。
『TVピープル』の内容は、私の感じた毒気や揶揄で満たされているものではなかった。題名だけで思考が先行して想像を膨らませてしまっていたので、少々面食らったというのが本心だ。
面食らったといえば、擬音がとても印象的で強烈だった。タルップク・シャウス、タルップク・シャウスというのは何とはなしに時計の秒針が時を刻む音だと共感できたが、そのほかは駄目だ。ちょっ...