TEAACHをはじめとする行動療法は行動重視で、行動が良くなることで本人や周りを困難から開放しようという療法だが、私は完全ではないと考える。
なぜなら、好ましい行動の時には褒めて、好ましくない行動の時にはそれとなくすというのは、確かに自閉症児にとって解りやすく混乱をまねかないのだが、悪い表現だが私にとっては「犬のしつけ」のように感じるような点がある。
自閉症児が問題行動を起こすのには「不安・恐怖」などそれなりの理由があるからだと考えられている。その「不安・恐怖」を取り除かずに行動療法を行えば、「何をどうしたらいいのか解らない」という恐怖は取り除けるだろうが表面上だけの解決にしかならないのではないだろうか。
応用行動分析を「ヒトはなぜそのようにふるまうのか(行動するのか)」という問いかけに対する答えを(つまりヒトの行動の原因を探るわけですが)、「心」等の内的説明概念を排除して、環境の中に行動の原因を求めるという学問(*1)
と定義すると、私はまず応用行動分析をするべきだと考える。そして問題行動の原因を明らかにし、環境を操作することで行動を改善すべきだ。極端な表現になるが、「自閉症児が健常者のやり方に合わす」のではなく「健常者が自閉症児のやり方に合わす」のだ。彼らは日ごろ私たちには想像しがたい恐怖と不安と共に過ごしている。その上、まだ健常者の常識に合わせろというのはあまりにも負担が大きすぎるのではないだろうか。
しかし応用行動分析についての批判もある。
学校入学前の児で,再現性を調べた研究では,15人の児に無作為に一週間に25時間の個別応用行動分析を受けさせ,1年から3年経過をみたところ,知性,視覚的空間スキル,言語,学術において有意な改善がみられたが,適応機能や適応行動には改善はみられなかった。(*2)
自閉症児の行動療法について
TEAACHをはじめとする行動療法は行動重視で、行動が良くなることで本人や周りを困難から開放しようという療法だが、私は完全ではないと考える。
なぜなら、好ましい行動の時には褒めて、好ましくない行動の時にはそれとなくすというのは、確かに自閉症児にとって解りやすく混乱をまねかないのだが、悪い表現だが私にとっては「犬のしつけ」のように感じるような点がある。
自閉症児が問題行動を起こすのには「不安・恐怖」などそれなりの理由があるからだと考えられている。その「不安・恐怖」を取り除かずに行動療法を行えば、「何をどうしたらいいのか解らない」という恐怖は取り除けるだろうが表面上だけ...