●この展覧会について
この展覧会は、今やその存在が神格化されているゴッホの原景に迫る、という趣旨のもとで企画されたものである。ゴッホの作品を、狂気の画家といった孤立したものとしてではなく、美術の歴史の一部として見直そうとする試みであり、美術史上の傑作を含むファン・ゴッホの油彩30点に、ミレー、セザンヌ、モネ、ゴーギャンなど関連する作家の油彩約30点、そして宗教的な版画や浮世絵など様々な同時代の資料多数をあわせて紹介することで、画家の実像にせまろうとするものだ。
本展では、全部で127点の作品が出品されており、そのうちゴッホ作品は42点。
構成としては5部に分かれており、「? 宗教から芸術へ」「? 農民の労働 芸術のメタファー」「? パリ ―― 闇から光へ」「? アルル ―― ユートピア」「? サン=レミ、ウーヴェール=シュル=オワーズ」と、おおよそゴッホの画業人生を時系列でたどりながら、彼のライフステージの変化ごとに切り分けるという組み立て。
私はこのゴッホ展は全体的に良くできていたと思う。ゴッホ作品を歴史的文脈で見直し画家の素顔に迫るという趣旨も今までにない試みであり、非常に新鮮で興味深く、私自身はゴッホに対しての見方を広げることができてよかった。構成も平凡ではあるが、時間の経過とともに作家がどのような変遷を見せていったのかがよくわかり、同時にゴッホのおかれた状況と作品の相関関係についても理解できて、良い構成だった。しかも、ゴッホのみならずミレーやセザンヌ、モネ、ゴーギャンなど、それだけでも人が集まりそうな有名どころの作品も多く出品されており、この内容で1,500円(一般の場合。大学生1,000円、高校生600円、そして中学生以下無料!!)は、とてもお得な展覧会だったと思う。
ゴッホ展 -孤高の画家の原風景-
東京国立近代美術館
2005年3月23日~5月22日
●この展覧会について
この展覧会は、今やその存在が神格化されているゴッホの原景に迫る、という趣旨のもとで企画されたものである。ゴッホの作品を、狂気の画家といった孤立したものとしてではなく、美術の歴史の一部として見直そうとする試みであり、美術史上の傑作を含むファン・ゴッホの油彩30点に、ミレー、セザンヌ、モネ、ゴーギャンなど関連する作家の油彩約30点、そして宗教的な版画や浮世絵など様々な同時代の資料多数をあわせて紹介することで、画家の実像にせまろうとするものだ。
本展では、全部で127点の作品が出品されており、そのうちゴッホ作品は42点。
構成としては5部に分かれており、「Ⅰ 宗教から芸術へ」「Ⅱ 農民の労働 芸術のメタファー」「Ⅲ パリ ―― 闇から光へ」「Ⅳ アルル ―― ユートピア」「Ⅴ サン=レミ、ウーヴェール=シュル=オワーズ」と、おおよそゴッホの画業人生を時系列でたどりながら、彼のライフステージの変化ごとに切り分けるという組み立て。
私はこのゴッホ展は全体的に良くできていたと思う。ゴッホ作...