私は普段の生活の中で特に水に関して不自由を感じたことがない。しかし、この本を読んで地球上利用可能な水が如何に少ないかを実感した。現在水に不満も不安も感じないのは、たまたま日本という数少ない水が普及した国に生まれたからに過ぎない。
この本で一番衝撃を受けたのは「バーチャルウォーター(仮想水)」と呼ばれる水の概念だ。自給率の低い日本は輸入作物と同時に大量の水(=仮想水)をも輸入していることになる。どういうことかというと、輸入作物も収穫されるまでに大量の水を必要とし、作物を輸入するということは、すなわち育てる水をも輸入している、という考え方なのだ。ハンバーガーを半分残したら、その残った半分の原料を育...