行政の官僚制は、資本主義が確立した西欧で、企業が効率的経営を目的に官僚化したのを基に、国家行政の効率化・合理化のために確立された。そのため、この制度は合理性、迅速な業務処理能力は有してはいるが、反面、組織の硬直性、融通がきかない非人間性、横柄な官僚主義的態度などの欠陥も持ち合わせてしまっている。
日本では、明治時代に官僚制の形成が行われた。1869年に最初の省である大蔵省と外務省が創始された。大蔵省は税制をつくり、財政基盤を築き、外務省は当時の西欧列強と対等な外交を行うことを目的に設置された。その後1885年に内閣制が創始され、大日本帝国憲法の制定、帝国議会がつくられた。1893年には、高官養成のために帝国大学法学部がつくられ、高等文官試験の開始によって、高官を試験で選抜するシステムがつくられた。
「現代政治学入門」レポート
平成12年 中央省庁再編について
行政の官僚制は、資本主義が確立した西欧で、企業が効率的経営を目的に官僚化したのを基に、国家行政の効率化・合理化のために確立された。そのため、この制度は合理性、迅速な業務処理能力は有してはいるが、反面、組織の硬直性、融通がきかない非人間性、横柄な官僚主義的態度などの欠陥も持ち合わせてしまっている。
日本では、明治時代に官僚制の形成が行われた。1869年に最初の省である大蔵省と外務省が創始された。大蔵省は税制をつくり、財政基盤を築き、外務省は当時の西欧列強と対等な外交を行うことを目的に設置された。その後1885年に内閣制が創始され、大日本帝国憲法の制定、帝国議会がつくられた。1893年には、高官養成のために帝国大学法学部がつくられ、高等文官試験の開始によって、高官を試験で選抜するシステムがつくられた。
敗戦後、明治憲法下では「天皇の臣」という身分であった官僚は、国民に対して「公僕」である公務員となり、そのあり方が改められた。さらに、地方にも知事を派遣し、国内の国務全てを総括し、警察権力を掌握し天皇大権の支えとなっていた内務...