第1節 はじめに
今、経済は長い間低迷している。そして、ほとんどの業界において、消費が冷え込んでいる。そんな中、5年間で店舗数を約2000店増やし、純利益を230億円アップさせた企業がある。それはセブン−イレブンだ。近年、コンビニは増え続けているが、同時に閉店も相次いでいる。このような厳しい時代に、なぜセブン−イレブンは売上を伸ばしているのだろうか?
その答えは、鈴木敏文氏(セブン−イレブン・ジャパン会長)の言葉にあるように思われる。「いくら消費不況だといっても、消費者の欲望は無限なのだから、それを満たす商品の開発をすればいいのだ。従来のやり方ではだめだ。新しい小売業に必要なのは経済学ではなく心理学だ。」
セブン−イレブンは、早くからお客の心理に徹底的に焦点をあて、商品開発やさまざまなシステムの構築、店における品揃えやサービスを行ってきた。しかも、顕在化している心理をつかむだけでは満足しない。潜在的な欲求にまで光をあて、それをいち早く顕在化して経営に反映させている。
セブン−イレブンの経営のあり方を学べば、ビジネスチャンスをつかむヒントが見つかるかもしれない。
第2節 心理戦略
経済は長い間低迷しているが、我が国の一世帯当たりの貯蓄額は相変わらず高い。つまり、お金がないから買わないのではなく、なんらかの理由で買い控えているのだ。心理が冷え込んでいるのだ。だから、お客の心理に働きかければ、売れるチャンスがあるのだ。
お客の心理は、男女別や年代別など個人の属性によって異なる。同じ人でも、季節や経済の状況、社会情勢により変化する。一日のうちでも、朝と昼と夜では行動や好みが大きく変わる。
セブン−イレブンは、そういった心理の変化を正確に把握し、的確に対応している。
少し前まで、無糖のブラックコーヒーは嗜好品の1つとして置かれていた。
第1節 はじめに
今、経済は長い間低迷している。そして、ほとんどの業界において、消費が冷え込んでいる。そんな中、5年間で店舗数を約2000店増やし、純利益を230億円アップさせた企業がある。それはセブン-イレブンだ。近年、コンビニは増え続けているが、同時に閉店も相次いでいる。このような厳しい時代に、なぜセブン-イレブンは売上を伸ばしているのだろうか?
その答えは、鈴木敏文氏(セブン-イレブン・ジャパン会長)の言葉にあるように思われる。「いくら消費不況だといっても、消費者の欲望は無限なのだから、それを満たす商品の開発をすればいいのだ。従来のやり方ではだめだ。新しい小売業に必要なのは経済学ではなく心理学だ。」
セブン-イレブンは、早くからお客の心理に徹底的に焦点をあて、商品開発やさまざまなシステムの構築、店における品揃えやサービスを行ってきた。しかも、顕在化している心理をつかむだけでは満足しない。潜在的な欲求にまで光をあて、それをいち早く顕在化して経営に反映させている。
セブン-イレブンの経営のあり方を学べば、ビジネスチャンスをつかむヒン...