<リオリエント>
一・ヨーロッパ中心主義への六つの異論
<筆者の主張>
グローバルな視野で歴史を見る必要があり、ヨーロッパ中心主義には反対である。ヨー
ロッパで何が起こったかではなく、先進地域であるアジアに目を向けるべきだ。
<ヨーロッパ例外主義への異論>
①ヨーロッパ例外主義はアジアが非合理的、反利益追求的性格、前商業的、非生産的、反資本主義的と言うが、これは的外れだ。アフロ・アジアの経済および金融の発展とその諸制度はヨーロッパの水準を凌ぐものだった。
②ヨーロッパは決して例外ではなく、世界で小さな役割しか果たしていなかった。「後発性の有利」。ヨーロッパの経済的参加と発展は、大半の一般的歴史学・社会理論によって実証的にも理論的にも誤って表象されてきた(マルクス、ウェーバー、ブローデル、ウォーラーステイン・・・)
③比較という方法が全体を不適切に設定し、場違いなところで具体性を詳細に求めていく、ある「特徴」が、むしろ恣意的に“本質的である”と宣言され、ヨーロッパ以外はそれが欠けているとされる。(ヨーロッパ的基準に基づいて)
④生産と蓄積、交換と流通の政治的基盤とメカニズムおよびそれ...