現在は情報社会さらには知識社会と呼ばれているが、その社会にあっては知識を扱う教育はきわめて重要である。基礎基本の学力と教育格差と経済格差との関連について論ぜよ。また格差問題を解決するうえで教育方法はどのようにあるべきか。
*経済格差
ここ数年で「勝ち組」「負け組」という言葉をよく見聞きするようになった。この言葉をまったく聞いたことがない人は少ないのではないだろうか。この言葉は現在の日本国民の経済状況、生活水準の傾向を顕著に表わしている。バブル崩壊後、我が国では、国民間の経済格差が広がり、二極化が進んでいる。自由経済を基本として動いている世の中においては、格差が発生するのはごく自然な現象である。では、格差問題における問題とは一体どこにあるのか。上位層がより豊かになった結果の格差拡大であれば問題にはならない。問題なのは、今日おこっている格差が、下位層あるいは中流層の底抜けによって生じているところにある。つまり人並みの生活を維持するのが困難になる人たちが増加しているのである。
山田昌弘氏の言葉に「希望格差」というものがある。彼は単純な一時点の経済力の比較では見えてこない問題点を見事に指...