環境・エネルギー概論 レポート

閲覧数1,950
ダウンロード数8
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    B 増殖の原理
     高速増殖炉では、プルトニウム燃料を包み込むように、燃えないウラン(ウラン238)を並べておく。 ウラン238は、中性子を吸収してプルトニウム239に変わる性質がある。 そこで、核分裂で飛び出した中性子の内、1つを連鎖反応に使い、もう一つをウラン239に吸収させるようにすれば、プルトニウムが燃えるかたわらでウラン239から新しくプルトニウムが生まれてくることになる。 飛び出す中性子のスピードが高い高速中性子の方が効率よくプルトニウムを増やせる。 水は中性子のスピードを落とす(減速)性質があるので、冷却材に水は使えません。 そこで、中性子を減速させず、熱を伝えやすい性質のナトリウムを冷却材に使う。 核分裂そのものは、スピードが遅い中性子(熱中性子)の方が効率よく進むので、軽水炉では冷却材兼減速材として水を使うので、高速炉は燃焼効率を犠牲にして、プルトニウムを増やそうとする原子炉といえる。
    【2】 導入に必用な事項
     以下に述べる現在の原子炉の抱える問題の解決が導入に必要な事項である。
    (1) 軍事への転用および戦時下での危険性
     原子力発電の燃料はウランであるが、ウラン濃縮を行えば必然的に劣化ウランが生じ、使用済み核燃料にはプルトニウム核廃棄物が含まれる。プルトニウムは核弾道ミサイルなどに転用することが技術的に可能であり、劣化ウランは劣化ウラン弾として、また核廃棄物をそのまま汚い爆弾として軍事転用が可能である。また戦時下では攻撃目標になる。
    (2) そのほかの問題点
     * 重大事故は周辺環境に多大な被害を与え、その影響は地球規模に及ぶ
     * 毒性が強く、放射性物質である核廃棄物を作り出す
     * 貯蔵中核廃棄物の最終処分地が選定されていない。
     * 地殻中のウラン235のみの利用を考えた場合、資源がそれほど豊富なわけではない
     * ウラン資源の可採埋蔵量に由来する資源枯渇問題

    資料の原本内容

    環境・エネルギー概論 レポート
    【問】 高速増殖炉の原理を説明し、その導入に何が必要かを述べよ。
    高速増殖炉の原理
    「高速」は核分裂反応を維持するのに「高速中性子(スピードの速い中性子)」を使っていることに由来し、「増殖」は原子炉を運転すると、使った燃料以上に新しい燃料が作れることに由来する。以下、高速増殖炉の原理をA発電とB増殖に分けて述べる。
    A 発電の原理
    B 増殖の原理
     高速増殖炉では、プルトニウム燃料を包み込むように、燃えないウラン(ウラン238)を並べておく。 ウラン238は、中性子を吸収してプルトニウム239に変わる性質がある。 そこで、核分裂で飛び出した中性子の内、1つを連鎖反応に使い、もう一つをウラン239に吸収させるようにすれば、プルトニウムが燃えるかたわらでウラン239から新しくプルトニウムが生まれてくることになる。 飛び出す中性子のスピードが高い高速中性子の方が効率よくプルトニウムを増やせる。 水は中性子のスピードを落とす(減速)性質があるので、冷却材に水は使えません。 そこで、中性子を減速させず、熱を伝えやすい性質のナトリウムを冷却材に使う。 核分裂そのものは、スピードが遅い中性子(熱中性子)の方が効率よく進むので、軽水炉では冷却材兼減速材として水を使うので、高速炉は燃焼効率を犠牲にして、プルトニウムを増やそうとする原子炉といえる。
    導入に必用な事項
     以下に述べる現在の原子炉の抱える問題の解決が導入に必要な事項である。
    (1) 軍事への転用および戦時下での危険性
     原子力発電の燃料はウランであるが、ウラン濃縮を行えば必然的に劣化ウランが生じ、使用済み核燃料にはプルトニウム核廃棄物が含まれる。プルトニウムは核弾道ミサイルなどに転用することが技術的に可能であり、劣化ウランは劣化ウラン弾として、また核廃棄物をそのまま汚い爆弾として軍事転用が可能である。また戦時下では攻撃目標になる。
    (2) そのほかの問題点
    * 重大事故は周辺環境に多大な被害を与え、その影響は地球規模に及ぶ
    * 毒性が強く、放射性物質である核廃棄物を作り出す
    * 貯蔵中核廃棄物の最終処分地が選定されていない。
    * 地殻中のウラン235のみの利用を考えた場合、資源がそれほど豊富なわけではない
    * ウラン資源の可採埋蔵量に由来する資源枯渇問題
    * 軍事転用の制約に関わる国際社会への配慮
    * 準国産エネルギー開発及び再処理技術実用化の凍結
    * 起動停止の所要時間が長い(通常停止)
    * 炉の特性上、通常は負荷追従運転を行わない
    * 火力発電所と比べ、施設建設に多大なエネルギーを使う
    * 地質学的側面から、立地場所が限定される
    * 電気利用者・電力会社と施設周辺に住む住民との利益・不利益が相応でない可能性がある
    * 老朽化している原子力発電所の解体・処理の問題。
    * MOX燃料での稼動が進捗しない。
    * 建設、稼動、解体、処分まで配慮した場合の高コスト。
    * 代替エネルギー(リユーザブル)促進の抵抗。
    参考文献
    脱原発入門講座 : http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/index.html
    FAPIG        : http://www.fapig.com/
    原子力百科事典 : http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/
    Wikipedia      : http://ja.wikipedia.org/wiki/
    ③ 2次系ナトリウムは、蒸気発生器で水を沸騰させて、再び「中間熱交換器」へ。
    ④ 蒸気発生器で発生した蒸気はタービンを回し、復水器で冷やされて水になり、再び蒸気発生器に戻る。
    ② 原子炉で熱せられた1次系の金属ナトリウムは「中間熱交換器」を通る間に2次系のナトリウムに熱を渡して冷やされ、再び原子炉に戻る。
    ① 原子炉の中でプルトニウムが核分裂を起こし、熱が発生する。

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。