教科書からの引用箇所が多いことから、参考・活用していただきやすいレポートだと思います。
レポート内には、私見も記述してありますので、参考にしていただけると思います。
なお、当レポートサイズはB5版です。
学力低下とは何かを明らかにし、社会階層のような社会的不平等と学力がどのような関わりをもつのかについて述べてください。
今日、学力低下が大きく叫ばれている。大学生に限れば、学力が低下しているという議論は別に古いものではない。
しかし、今日の展開されている議論は、明らかにこれとは異なる。つまり、新しい世代の学力が前の世代の学力に及ばない、縮小再生産の過程が始まったのではないかという疑念があるところに、深刻な問題があるのである。こういった疑念のさらに根本にあるのは、大学生の「学ぶ」「勉強する」ということに対する価値付けの低下である。学生に学習をする習慣がないのである。かつての大学であれば、少なくとも学校教育で展開される日々の学習に適応する生徒が進学していたはずである。そうでなければ大学入試には受からなかったはずである。しかし、現在は、そして今後一層、大学進学は易化し、少なからぬ大学ではほぼフリーパスに近いのであり、学習習慣を身に付けていない大学生が大量に発生することになる。そして、伝統的年齢層の学生には、表面的な現象としての学力低下よりも、この学ぶことに対する価値付けが低いという点に大きな問...