情動的共感性尺度の項目分析と
信頼性の推定
目的
情動的共感性尺度についての尺度を再構築することを目的とする。まず、既刊の尺度に、独自に作成した項目を加え、これを出発尺度とする。次に、この出発尺度に、内的整合性の原理による項目分析の方法を適用する。そして、この結果から構成した新たな尺度の信頼性を推定する。
方法
被調査者
大学生・一般成人142名(男性65名、女性71名、不明6名)。大部分が関西大学生であった。
質問紙
加藤・高木(1980)によって開発された情動的共感性尺度を用いた。情動的共感性尺度は、他者の情動や感情の対する共感性を測定するための尺度である。これは、Mehrabian & Epstein(1972)の情動的共感性尺度の尺度項目に手を加え、より日本人にふさわしい内容の尺度として新たに作成されたものである。
対象者は、中学生以上の青年および成人である。
この尺度は、尺度Ⅰが感情的暖かさ尺度(10項目)、尺度Ⅱが感情的冷淡さ尺度(10項目)、尺度Ⅲが感情的被影響性尺度(5項目)で構成されているが、本調査では、尺度Ⅱの感情的冷淡さ尺度を10項目用いた。...