1.目的
この実験では,接合形FETの静特性を測定し,その特性を表すYパラメータを求める.また,FETを用いた増幅器の動作を調べ,動作量を計算する.
2.原理
2.1FETの動作原理
接合形FETは,pn接合に逆バイアスを加えるとキャリアのない空乏層ができることを利用して,ゲート電圧によりドレイン電流の大きさを制御する素子である.ゲートに加える逆電圧が大きくなると空乏層が広がり,ドレインとソースの間の抵抗が大きくなるので,ドレイン電圧を一定にしていてもドレイン電流を減少させることができる.
2.2FETの静特性
ゲート電圧 とドレイン電流 の関係を表す - 特性は伝達特性とも呼ばれ,FETの入力電圧と出力電流の関係を示している.そのため,出力電流と入力電圧の比である相互コンダクタンス は
(2.1)
と表される. が流れなくなる を接合形FETのピンチオフ電圧という.
一方, - 特性は大きく2つの領域に分けられる. が に比例している線形領域と, が一定になっていて に依存しない飽和領域である.
ドレイン電流の飽和は,ピンチオフが起こることによる現象である.ピンチオフとは,ドレイン電圧が高くなるとソース側よりも逆バイアスが大きいドレイン側に空乏層が偏り,上下の空乏層がつながってしまうことを言う.ピンチオフがおきると,ドレイン電圧をそれ以上高くしても電圧は空乏層にかかるだけになるため,ドレイン電流はほとんど増加しなくなる.
飽和領域のドレイン電流を飽和ドレイン電流 という. =0のときの を とすると,ゲート電圧対飽和ドレイン電流特性は
(2.3)
と近似できる.
目的
この実験では,接合形FETの静特性を測定し,その特性を表すYパラメータを求める.また,FETを用いた増幅器の動作を調べ,動作量を計算する.
原理
FETの動作原理
接合形FETは,pn接合に逆バイアスを加えるとキャリアのない空乏層ができることを利用して,ゲート電圧によりドレイン電流の大きさを制御する素子である.ゲートに加える逆電圧が大きくなると空乏層が広がり,ドレインとソースの間の抵抗が大きくなるので,ドレイン電圧を一定にしていてもドレイン電流を減少させることができる.
FETの静特性
ゲート電圧 とドレイン電流 の関係を表す - 特性は伝達特性とも呼ばれ,FETの入力電圧と出力電流の関係を示している.そのため,出力電流と入力電圧の比である相互コンダクタンス は
(2.1)
と表される. が流れなくなる を接合形FETのピンチオフ電圧という.
一方, - 特性は大きく2つの領域に分けられる. が に比例している線形領域と, が一定になっていて に依存しない飽和領域である.
ドレイン電流の飽和は,ピンチオフが起こることによる現象である.ピンチオフとは,ドレイン電圧が高くな...