「麗しい」の成立過程について

閲覧数4,270
ダウンロード数5
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1、 ウルハシ
    (1) ウルハシの語源
    『字訓』 
    「『ウルフ(潤ふ)』の形容詞形とみてよい。」
    『小学館古語大辞典』 
    「『うる(潤)ふ』の形容詞形で、水にぬれてつやつやと光沢のある、冷たい感じの美を表すのが原義であるという。」
    『語源海』 
    「ウル(心)・クハシ(細・精細)→ウルハシと考えられる。近代語では、<潤(ウルフ)>などとも類推されて、意味が変化した。」
    『日本語源大辞典』
    「?ウラハシ(心愛)の転か《俗語考・大言海》。?ウルハシ(潤)の義《日本釈名・天朝墨談・和訓栞・槙のいた屋・国語溯原=大矢透・国語の語根とその分類=大島正健》。?ウラクハシの約《万葉考別記・隣晤言・言元梯・菊池俗言考》。?二通りの語源が想定可能で、一つはウラハシ(歎好)、一つは艶麗の意のウルハシ(潤好)《日本古語大辞典=松岡静雄》。?『蔚』の別音Uに、ハシという語尾を添え、ラ行を挟んだ語(日本語原考=与謝野寛)
    (2) ウルハシの用例
    『日本国語大辞典』の用例
    『古事記』(712)『日本書紀』(720)『万葉集』(8C後)『竹取物語』(9C末-10C初)
    『宇津保物語』(970-999頃)『源氏物語』(1001-14頃)『更級日記』(1059頃)『今鏡』(1170)
    『大鏡』(12C前)『後鳥羽院御口伝』(1212-27頃)『平家物語』(13C前)
    『増鏡』(1368-76頃)『浮世草子・好色五人女』(1686)
    2、 ウルワシ
    (1) ウルワシの語源
    語源は「ウルハシ」と同じ。
    『新潮国語辞典』
    「古くは『ウルハシ』と発音したが、平安初期には『ウルワシ』と音が転じていた。」
    『岩波古語辞典』
    「この語は奈良時代には、《urufasi》と発音されていたが、平安時代に入ると極初期から《uruwasi》と転じたらしく、当時から“うるわし”“宇留和志”などと表記した例が多い。これは単語の中のハ行子音FがWに転じた最も早い例の一つ。」

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ウルワシイ(麗しい)の成立過程について
    ウルハシ
    ウルハシの語源
    『字訓』 
    「『ウルフ(潤ふ)』の形容詞形とみてよい。」
    『小学館古語大辞典』 
    「『うる(潤)ふ』の形容詞形で、水にぬれてつやつやと光沢のある、冷たい感じの美を表すのが原義であるという。」 
    『語源海』 
    「ウル(心)・クハシ(細・精細)→ウルハシと考えられる。近代語では、<潤(ウルフ)>などとも類推されて、意味が変化した。」
    『日本語源大辞典』
    「①ウラハシ(心愛)の転か《俗語考・大言海》。②ウルハシ(潤)の義《日本釈名・天朝墨談・和訓栞・槙のいた屋・国語溯原=大矢透・国語の語根とその分類=大島正健》。③ウラクハシの約《万葉考別記・隣晤言・言元梯・菊池俗言考》。④二通りの語源が想定可能で、一つはウラハシ(歎好)、一つは艶麗の意のウルハシ(潤好)《日本古語大辞典=松岡静雄》。⑤『蔚』の別音Uに、ハシという語尾を添え、ラ行を挟んだ語(日本語原考=与謝野寛)
    ウルハシの用例
    『日本国語大辞典』の用例
    『古事記』(712)『日本書紀』(720)『万葉集』(8C後)『竹取物語』(9C末-10C初)
    『宇津保物語』(970-99...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。