「子どもたちの学力が低下している」という言説に対してあなたはどのような意見をもちますか。子どもたちの学力の実態を具体的にあげながら、その理由と背景にある要因をふまえながら考察しなさい。その際に、「学習指導要領」「ゆとり教育」をキーワードにすること。
『「子どもたちの学力が低下している」という言説に対してあなたはどのような意見をもちますか。子どもたちの学力の実態を具体的にあげながら、その理由と背景にある要因をふまえながら考察しなさい。その際に、「学習指導要領」「ゆとり教育」をキーワードにすること。』
1980年代以降、日本の子どもたちは学力が低下したと言われている。この教育問題は、1990年代から大学関係者の間で話題になり始めた。そして、1999年に出版された岡部恒治他著『分数ができない大学生』によって、世間に広く知られるようになった。しかし、大学生の学力低下に関しては、大学が大衆化されたことも視野に入れなければならない。これまで大学に進学できなかった層が、大学生に進学できるようになったことで、学力の低下が起きたのである。これは、必然的な結果と言える。
その後、2003年には経済協力開発機構(OECD)によって、世界各国の15歳の生徒を対象とした学習到達度調査(PISA)が行われた。この調査で日本の順位が下がったことから、マスコミは「ゆとり教育で子どもたちの学力は低下した」とセンセーショナルに報じたのである。
では、本当にゆとり教育...