「灰の水曜日」について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すこと。
「『灰の水曜日』の理解と日本人」
現代の日本において、世界的に見て最も遅れていることの一つは何であるか、それは神や宗教というものに対する感覚ではないだろうか。社会が複雑化し、多様な価値観が生まれ、何が正しく、何が悪いかということが以前より判断しにくくなっている。あらゆることにおいて意味を喪失していると言えるだろう。何より、人生に対する意味や価値を見いだせなくなってきているように思える。芸術も現在は「何を表すか」ではなく、「いかに表すか」という方向になってきており、何か一つの思想やメッセージを表現したとしても、それは単なる一つの考え方の一つであるとしか受け取られず、これが真理であるというものを発信することができなくなっている。そうして、現在のこの状況の一部分を切り取り、ありのまま見せるのが現代芸術となってきているように見える。そのような中、宗教に対する感覚がないのも納得できる話である。宗教とは「真理」をあらわし、人間に「救い」を与えるものであるが、そのどちらも現在では必要性が感じられなくなっている...